通院等乗降介助とは?

「通院等乗降介助」は、指定を受けた障害福祉サービスの居宅介護事業所のヘルパーが自ら運転して、車両への乗車又は降車の介助を行うとともに、併せて、乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助又は通院先若しくは外出先での受診等の手続、移動等の介助を行った場合に、介護給付費の算定をすることができるものです。

※介護保険法の訪問介護事業所にも通院等乗降介助はあります。

居宅介護には、①身体介護、②家事援助(訪問介護は生活援助という。)、③通院等乗降介助の3つの種類があり、それぞれの種類に応じて、介護報酬額が定められています。

居宅介護の指定を受けると、①身体介護と②家事援助は、開業日にサービス提供を行うことはできますが、③通院等乗降介助のみ「道路運送法の許可」がないとサービス提供を行うことはできません。

通院等乗降介助を行うには、どうすればよいか次に説明することにします。

通院等乗降介助を行うための介護タクシー等の許可の種類

通院等乗降介助に必要な道路運送法の許可とは、道路運送法の定める①一般乗用旅客自動車運送事業(法4条の許可)、②特定旅客自動車運送時事業(法43条の許可)、③NPO法人等の自家用有償運送(法79条の登録)があります。

その中で、①一般乗用旅客自動車運送事業(法4条の許可)の中には、乗客の範囲に限定がないア法人タクシー、イ個人タクシーや乗客の範囲に限定があるウ福祉輸送事業の3種類があります。

居宅事業所が、これからア法人タクシーやイ個人タクシーの許可を取得することは、アは車両の台数を確保が困難、イは個人事業主になると別の事業になるなど、現実的ではありませんので、ここでは、①一般乗用旅客自動車運送事業をウ福祉輸送事業(以後、介護タクシーという。)に意味するものとして説明していきます。

居宅介護事業所が、道路運送法の定める①介護タクシー(法4条の許可)、②特定旅客自動車運送時事業(法43条の許可)、③NPO法人等の自家用有償運送(法79条の登録)のいずれをの許可又は登録を選択すればよいか悩むところでしょう。それぞれの許可又は登録のメリットやデメリット特徴をあげておきましょう

<道路運送法第4条の介護タクシーの許可の条件>

許可の対象者:個人事業主でも法人でも対象者は限定されていませんので、許可要件を満たせば、どなたでも参入は可能です。ただし、通院乗降介助を行うのが目的であれば、株式会社等の法人格を持ち、かつ、居宅介護の指定を受けていることが必要です。

なお、障害者総合支援法の居宅介護または介護保険法の訪問介護の指定を受けている事業者であれば、介護タクシーの許可を取得しさえすれば、その許可書をもって、市町村等に通院等乗降介助の届出を行うことにより通院等乗降介助のサービスを提供することがはできます。

メリット:通院等乗降介助だけでなく、観光等の運送も可能である。また、運賃は、介護輸送に係る運賃(通院等乗降介助はこちら)と観光等の運賃の二本立ての設定が可能である。

デメリット:役員等に法令試験があること、運転手に2種免許が必要なことや営業所、車庫等の許可要件に厳しいハードルがあること、開業まで相当時間がかかることです。

運転手には2種免許が必要ですが、道路運送法法78条3号の訪問介護員等の自家用有償運送(ぶらさがり許可という。)の許可を取得すれば、2種免許をもっていないヘルパーでも自家用車で運転できますので、デメリットはクリアできます。

また、許可要件のハードルは高いのですが、1回限りの申請のハードルを乗り越えれば、その後の許可の更新の手続きは必要ありませんので、デメリットか否かは気持ちの持ちようかと思います

<道路運送法43条の特定旅客自動車運送時事業の許可の条件>

許可の対象者:特定の人を特定のルートで特定の目的地へ運送する事業となりますので、その条件に該当する事業者に対してとなりますので、どなたでも参入できるわけではありません。「特定の人を特定のルートで特定の目的地へ運送する」とは分かりやすく言えば、自社の工場の従業員を駅から工場まで有償で輸送する場合や自社の介護施設の利用者を送迎するする場合などが該当します。

「特定の人を特定のルートで特定の目的地へ運送する」とは分かりやすく言えば、自社の工場の従業員を駅から工場まで有償で輸送する場合や自社の介護施設の利用者を送迎するする場合などが該当します。

なお、障害者総合支援法の居宅介護または介護保険法の訪問介護の指定を受けている事業者であり、かつ、特定旅客自動車運送事業の許可を取得しさえすれば、その許可書をもって、市町村等に通院等乗降介助の届出を行うことにより通院等乗降介助のサービスを提供することがはできます。

居宅介護事業所や訪問介護事業者であれば、その事業所から介護サービスを受けている利用者と自宅から病院間への送迎を行うことがことも特定旅客運送事業の要件に該当します。

メリット:役員等の法令試験がないこと、また、介護タクシーの許可要件のように資金要件のハードルはないこと

デメリット:特定の場所しか運送できないこと、観光等に使用できないこと、また、運転手に2種免許が必要なことや営業所、車庫等の許可要件に厳しいハードルがあることは介護タクシーと同様です。

<道路運送法79条のNPO法人等の自家用有償運送の登録の条件>

許可の対象者:NPO法人、一般社団法人又は一般財団法人、認可地縁団体、農業協同組合、消費生活協同組合、医療法人、社会福祉法人、商工会議所、商工会、権利能力なき社団であることが条件です。それ以外の法人、団体や個人は不可です。ただし、通院乗降介助を行うのが目的であれば、居宅介護の指定を受けていることが必要です。

メリット:介護タクシーや特定旅客自動車運送事業の許可のように役員等の法令試験がないこと、資金要件や営業所や車庫などのハードルがないこと。また、国土交通大臣が認定する講習を修了しているのであれば、普通1種免許でも運転手になれること

デメリット:市町村において、当該地域内の輸送の現状に照らして、タクシー等の公共交通機関によっては移動制約者に対する十分な輸送サービスが確保できない状況であることなど協議会の判断が必要なため、状況次第で不可になることも。

介護タクシーの許可の要件などの詳細は、当事務所の専門サイトで掲載していますので、こちらをご参照ください。

    ⇒ 介護タクシー事業の立ち上げ・独立開業

通院等乗降介助の届出

前述の①介護タクシー(法4条の許可)、②特定旅客自動車運送時事業(法43条の許可)、③NPO法人等の自家用有償運送(法79条の登録)のいずれをの許可又は登録を取得しただけでは、通院等乗降介助はできません、

運営規程に、通院等乗降介助を行う旨の追加記載して、道路運送法の許可書等を添付して届出を行います。

通院等乗降介助の届出をした場合でも、すぐに実施できるものではなく、次のとおり実施日が決められています。

15日までに届出を行った場合 ⇒ 翌月1日に算定開始

16日以降に届出を行った場合 ⇒ 翌々1日に算定開始

上記のとおり、タイミングによって、実施日が異なりますので、可能な限り早めに届出を行いましょう。


<通院等乗降介助の届出までの流れ>

居宅介護事業の指定を取得

   ↓

①居宅介護事業の指定を取得(介護保険法の訪問介護の指定事業者も以下、同様。)

   ↓

②道路運送法の許可又は登録の申請

   ↓

③道路運送法の許可又は登録の取得

   ↓

④都道府県又は市町村に通院等乗降介助の届出

   ↓

⑤届出の翌月又は翌々月に通院等乗降介助の算定開始

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